君が為に日は昇る

「こりゃまた嫌ぁな野郎に会ったなおい。」


上条は一瞬硬直。軽く舌を打った。


小柄の男は嫌らしい笑みを浮かべながら屍の道を歩き近づいてくる。


かつて仲間であった男達を踏みしめながら。


「かかれ!相手はたったの三人だ!」

「馬鹿お前らよせっ!」


敵を討ち取り興奮状態の兵達。我先にと小柄な男に飛びかかっていく。


功を焦ったか、上条の制止は既に届かない。


「ははっ。いやいやいいねぇ。随分と血気盛んなことで。」


兵達の得物は長槍。しかもここは狭い路地だ。


数人で突き出す長槍はさながら刃の壁。


後ろに下がることを除けば避ける術は無い。


「とった!」


先頭を切った兵の槍がまさに男を捕えようとした瞬間である。


兵の頭はまるで林檎のように弾け飛んだ。


「…うっ!?」


姿の見えない何かの攻撃。兵達の勢いは止まる。


そこを一気に畳みかけるかの如く攻撃は続く。


頭、胸、腹。身体を撃ち抜かれ兵達は次々と倒れていく。


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


やたらと耳に残る、風を切る音。音が止んだ時には兵達のほとんどが、地に臥せていた。