君が為に日は昇る

幕府軍が村の前を囲んでいた。


「…」


群れをなした村人の先頭に源五郎の姿。
手には長槍を持ち、村の入り口に立ち塞がる。


「頭領。よかったのか?夜太を逃がして。こんな時の為に育てたんじゃ…」

「…さぁねぇ。俺ぁ気まぐれだからよ。」


黒間の村の目の前で睨み合いが続いていた。
幕府軍は陣を組み、沈黙を保っている。


奴らを村に入れればに中に誰もいないと気付かれる。それだけは避けなければならない。


絶対に入れまいと壁を作り、幕府軍を睨みつけた。


ここで源五郎は策を実行する。時間稼ぎの為の策を。


「大将はどなたか!この行為は如何なる理由あってのものか!納得のいく説明をして頂きたい!こちらはこの村の頭領!黒間の源五郎である!」


集団の一歩前に出て吠える源五郎。その言葉に応え、幕府軍から一人の男が出てくる。


「こちらこの隊の大将である!質問は一切答えかねる!以上!」


馬鹿にしたような笑いが幕府軍から漏れる。


「ほぉー!何も知らないのか!ではこの村のに眠る財宝の在りかも知らないと見える!黙って引き上げてくれれば在りかを教えてやらなくもないぞ!」