おれは真実を探すために



旅に出た



バイクにまたがり



背中には一本のベース



これからいろいろなことを



発見してゆくんだ




いつまで旅を続けるかわからない


行き先も決めていない


そんな旅だ


夜明け前の街には


靄にけぶっていて


新聞配達のおっさんが


歩道の上にカブを止めて


缶コーヒーを飲んでいる


その缶コーヒーは宙を舞い


アスファルトの上に落ちて


カランカランと音を立てる


おれはその音を合図に


バイクのエンジンを回して


靄の中に入っていった