一本の光の線が夜空を横切ってゆくのが見えた。

 突きつけられた衝撃の事実を裏付けられたひろみをよそに、家族は皆その珍しい夜空の奇跡に魅入っていた。

「ホント、綺麗ねえ」

「願い事!」

 その光景がどれほど異常なものか、誰しも気づいていないのだろうか? 夜空を一瞬で駆け抜け、儚く消えるはずの流れ星がまだ消えてはいない。

 それがどのような意味を持つのかは、この家族の中ではひろみだけが理解していた。


 誰も逃れることの出来ない運命。その歯車が今まさに動き始める──