先生が帰ってからすぐに梨華に電話をした。




梨華は何も言わなくても、私が突然帰った訳が分かってたみたい。




「椎名さん、そうとう瀬名っちに怒られたみたいだよ。あんなに威張ってた人が隅っこで小さくなってたから」




好きな人に怒られるのはそうとう辛い事だよね…。




でも椎名さんはそれぐらいの事したんだから自業自得だよ。




多分、許す事はできないと思う。




「瀬名っちは?もしかしてまだ一緒だったりする?」




「えっ?さっき帰ったけど…何で先生が来た事知ってんの?」




「彩音の荷物持って行こうとしたら、瀬名っちがどうしても持って行くって言うから」




きっとバツが悪かったんだろうね。




あんなにひどい事言っておいて、椎名さんの1人芝居だったんだから…。




傷ついたんだよ…先生。




「私、前にも言ったけど絶対、瀬名っちは彩音が好きだと思う。だって彩音に今すぐ会いたいって顔で私から彩音の荷物奪って行ったんだよ?自分の仕事もほっぽりだして」




えっ…?仕事より私を選んでくれたの?




それとも…やっぱり生徒だから?




先生の気持ちが分からないよ…。