「そんなにまでして探さなきゃなんねぇもんかよ」




「あったり前です!!大事なものなんだから」




「俺がもっといいやつ、買ってやるよ」




「あなたになんか、もらいたくありません!!」




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それから、どれぐらいの時間が経っただろうか。




もう手足の感覚はない。




「どうしよう…」




はぁ~…もう帰ろう…




結局、見つからなかった。




せっかく先生にもらったのに…失くすなんて最低だよ。




先生…ゴメンね…




梨華には『具合悪くなったから帰る』ってメールした。




先生には…できないな。




帰る途中、制服が濡れてるから変な目で見られる。




でも、そんな事はどうでもよかった。




私の頭の中は先生でいっぱいだった。




家に着いても、お風呂に入って暖まらないと風邪ひいちゃうって頭では分かってるんだけと…




なかなか行動に移せない。




そのまま、横になって目を閉じた。




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