「何…俺のって…からかってんの!?」
あたしは赤くなりながら彼を見上げる。
腕の中から見上げて見る彼の顔はいつも以上にかっこよく見えた。
「からかってるわけねーだろ?お前は鈍感すぎ」
あたしを上から見下ろしながら微笑む。
恥ずかしくなってあたしは顔を伏せる。
「好きだよ…」
彼は耳元で囁いた。
もう心臓が破裂しそうだった。
嬉し過ぎて涙目になってきた。
ほんとに?ほんとなの?
そう問い掛けるように彼を見上げると
「…そんな目で見んなよ」
と言って顔をそらした。
ピアスが付いた耳は真っ赤に染まっている。
それを見たあたしはほんとなんだと確信した。
「あたしも…」
と呟くと、彼は今までに無い最高の笑顔を見せた。
こうしてあたしたちは付き合い始めた。

