夏休み。

 夏休みでも部活はもちろんあった。

 先輩がいない部活はいまいち気合が入らなかったけど。

 ある日、わたしは一大決心をする。

 先輩にメールをしてみようという決心だ。

(えーっと…なんて送ろう…)

 悩む事数十分。

 結果、カラオケのお誘いとなりました。

 幸い趣味も合ってたので大丈夫だろうと期待を籠めてポチッと送信。

(お、送っちゃったー…)

 後からだんだん鼓動が早くなる。

 着メロ1と共に返信はすぐに来た。

 深呼吸を一つ二つ…そして覚悟を決め、思い切ってメールを開く。

 極簡潔なメールの内容は…了承してくれた。

(やったぁー!!)

 これが飛び上がるような嬉しさかぁ、と思いながら私は一人喜びを噛み締める。

 顔がにやけているのが分かった。でも、本当に嬉しかったのだ。

 先輩にとっては気まぐれとか、気分転換かもしれない。

 それでも私にとってその一言はすごく大切なものだった。


 後に訪れた幸せな時間、先輩とのカラオケはあっという間に過ぎていく。

 楽しい事ほど時が経つのが早く感じると思うのはよくあるが、これ程短く感じたのは初めてだ。

 そして同時に、運命の二学期が近づいてきていた。