時はさらにさらに流れて夏休み直前☆

 え?省き過ぎだって?気にしなーい気にしなーい♪

 剣道部では今度の都大会で関東大会に進出できなければ三年生が引退となってしまう、まさに三年生の引退シーズンだった。

 という訳で、自然と練習にも気合が入ってます。

 女子が少ない今、この際初心者でも何でもいいという感じに私もレギュラー入りです。泣きたいです。

 練習は夏の暑さと比例するかのように厳しくなる一方でした。

 そんな中、最近気付いた事。

 私、もしかして奥嶋先輩の事
 …好きになってる?

 いやいやいや、そんな訳ないでしょ。
 と否定する私と
 
 いつの間にか目で先輩の事を追っている私。

 自分でも驚きだった。

 そして気付くと同時に悲しくなってくる。

 だって、部活を引退すれば、きっともう先輩と会える機会は滅多にないだろう、と。

 先輩はときどき覗きに来ると言っていたが、先輩の性格からして絶対に来ないだろうなと言い切れる。

 メールという手段もあったが、用も無いのにメールをするというのはあまりにも不自然だった。

 あくまでも“ただの”先輩と後輩の関係。それほど仲が良い訳でもないのだから。


 だから願った。

 都大会、勝って欲しいと願った。

 切実に。



 それでも、そんな願いはあっさりと砕けてしまう。

 男子団体は負けてしまったのだ。

 あと一歩というところで。

 先輩達の引退試合となってしまった。