――そうだぁ
名前しらないなぁ...



「あのー...」




「ん?」



――あっ、
さっきより、優しくなってる...



「名前何って言うんですか?」



恐る恐る聞いてみた



「ん゛、名前?」



「はい...
名前知らないんで」



すると...



「仲條 時(ナカジョウ トキ)18だ」



――18ってことは...


「ちぃ兄と一緒だ」




「お前、自分の兄貴の事 ちぃ兄って呼ぶんか?」


――...ちぃ兄の事知ってる?



「はい...
ちぃ兄の事知ってるんですか?」



「あぁ、百合川 千鶴
(ユリカワ チヅル)だろ?
あいつの事は何でも知ってる」



――へぇ、そうなんだ



「あっ!あたしの名前は」



「お前の名前も知ってる 百合川 奈央だろ」




――へぇ、なんか



「時先パイって物知りですね」




――なんか凄いなぁ



「....」


凄いあたしを見てる




「時先パイ?」




――あ、やっちゃたかな?




「時先パイって呼んじゃダメですか?」




「いや、別にそれでいいよ」




――よかった
それじゃ...



「あたしの事、奈央って呼んでいいですよ」




「フッ、それは考えといてやるよ」



「あぁ、何でそれは考えておく、なんですか?」



「さぁ?」

――今はまだ気づかないけど

そうやって、あたし達は出逢ったんだ