「 あぁ~・・・やっぱりぃ。

  仔猫だぁ! 」


僕はひょいっと、空中につまみ上げられ

た。
  

「 ん~・・なんだか、”ボロぞうきん”

  ってカンジだねぇ・・・ 」



僕は声のするほうへゆっくりと顔を上げ

うっすらと目を開けた。


そこには、同じように雨に打たれた、

 ” 茶色い髪 ” が風に揺れてゆら

りと光っていた。




「 ふふふ・・・
 
  ”運”がいいかもよ?キミ。

  なぁんとっ!今日は、ジャージ持っ

  てる日なんだぁっ 」



” 茶色い髪 ” はそう言うと、自転

車の前のカゴに乗せていた、ビニールの

バックの口を開け、タオルを取り出し、

僕をくるりと包んだと思ったら、再びそ

のバッグの中へ放り込んだ。