あれからどれぐらい眠っただろう。
ここはどこ?
僕はいつもと違う匂いと景色の中で目を
覚ました。
「・・・あ・・・ちび・・・!?」
いつもの声が聞こえた。
僕はその声のほうをゆっくりと振り向いた。
柵越しに、茶パツとママが立っていた。
二人とも目が潤んでいる。
「この子は痛いって言えないのよね。」
ママのつぶやきに茶パツがうなづく。
どうしたの?ふたりとも。
なんで泣いているの?
僕はふたつの顔をかわるがわる覗き込ん
だ。
茶パツは、握っていたタオルでごしごし
と顔を拭き
「なんでもない。ちょとコンタクトがず
れただけだよ。」
と僕に笑いかけた。
