「ふぅ………」




一息つき、聖は肩をすくめた。



そして、私のシャーペンを奪うと、サラサラっと何かを書く。




「………これって………」



「公式だ。

こっちが正弦、こっちが余弦」




そう言う聖の口調は、やっぱりそっけないけど………



どこか…あったかかった。




その言葉に、私はゆっくりと微笑む。




「聖………」



「………ん?」



「ありがと♪」



「っ!!!」




ちょっとだけ、聖が怯んだ。