自動ドアを抜け、社内に入ると、そこには超高級ホテルのような風景が広がっていた。



さしずめ、受付が宿泊受付といったところだろう。



聖は、来たことがあるらしく、自然な動作で受付の女性に話しかけた。




「親父に会わせろ」



「……………」




――なんて失礼なやつなんだ、こいつは………




それが私の率直な感想だった。




「ひ、聖様………」




受付の女性は聖のことを社長子息と認識しているらしく、目を丸くしていた。



驚いている受付の女性に対し、聖は脅しをかけるようにもう一言。




「聞こえなかったか?

親父に会わせろ」