〜聖side〜





皐月が帰ってこない…



何かあったのか?




まさか、親父が………?




「お兄ちゃん?」




「………ん?」





考えるのに集中しすぎていたようだ。



莢が、心配そうに俺の顔をのぞき込んでいた。





「どうしたの?

怖い顔して………



何か考え事?」




「ん、ああ…

ちょっと、な………」




俺はそう言って、窓の外を見た。



よく見ると…
少し、雨雲が出てきていた。





「雨………降りそうだな」



「え?そうかな?」





俺は窓の外を眺め続けながら、皐月の顔を思い浮かべた。