離れる?



聖から………?





考えたくはなかった。



今の私が、聖のいなくなることなんて………




考えられるわけなかった。





「別に今すぐ、とは言いません。


それに、選ぶのはあなただ。


ただ………
あなたのためなら、聖は簡単にその身を捨てる。

これだけは覚えていて下さい」




そう言うと、聖のお父さんは私の横を通り過ぎ、屋上から出ていった。



バタン、と言うドアの閉まる音とともに、私は力なくその場に座り込んだ。