蓮君は真っ直ぐに
私を見つめてきた。


綺麗な顔立ちの蓮君に見つめられ

私は思わずその瞳に
吸い込まれそうになった。








…が、その時………





あいつの顔が浮かんだ………





そして私は…




｢ごめん………



私、蓮君とは付き合えない…｣





少し罪悪感を覚えながら
私ははっきりと言った。







すると蓮君は………





｢………やっぱり聖？｣




｢…え？｣




そう言った蓮君の表情は
今までに見たことのないような
冷たい表情だった。






｢いつもそう………
僕が好きになる人は
みんな聖のことが好きだった…｣




｢れ、蓮君…？｣





｢何で………？
何でなの………？


何でみんな聖なの…？｣





そう言って蓮君は立ち上がった。


蓮君の瞳にはうっすらと
涙が見えた。





｢…急にどうしたの？
大丈夫………？｣





私が心配しながら
見つめると、蓮君は深いため息を
ついた。






｢だからさぁ………
気もないのに
そんな顔しないでよ………

余計傷つくじゃん………｣






そう言い残して蓮君は
私の前から去っていった。