「ただいま」
自分の部屋に行こうと思って、階段を上がろうとしたら
「おかえり。遅かったな。」
お父さんがリビングから出てきた。
「あ、悠兄には連絡したんだけど…」
「大丈夫。美亜も高校生だから、怒ったりはしないよ」
ハハッと笑った。
「そーいえば、お父さんの知り合いでお好み焼き屋さんやってる人いる?確か…創屋って名前の」
「あぁ、あいつのとこ行ったのか…美味かったろ」
懐かしそうに遠くを眺めた。
「凄い美味しかったよ。」
「そうか…よかったな。早く風呂入れよ」
私の頭をポンポンと叩いて、自分の部屋に戻って行った。
自分の部屋に戻って、お風呂に入った。
蓮のことを思い出すと、心臓がドキドキする。
初めてこんな気持ちになった。
私は、考えながら眠りについた。


ねぇ、蓮。
いつもあなたが初めてだった。
手を繋ぐのも、キスするのも―
恋愛一つしたことない私には、蓮の過去があまりにも辛かった。
大事にしてくれてたのに、私が蓮を傷付けてた。

ごめんね―
今何を見ていますか?
私は夜空を見上げ、あなたのことを考えてます。