「おぅ。ねみぃから、屋上で寝てくる」
この時屋上に行ってなかったらお前と会えてねぇーのかな?
イロイロあってお前に辛い思いをさせちまったが、今も好きだ―――
ガチャ―
風が気持ちいい。
俺はハシゴの下で寝ていた。
ガチャ―
ん?誰か来たのかよ。
寝ぼけながらもドアが開いた音が聞こえた。
女がこっち来てハシゴを登りはじめた。
パンツみえてるし。
いきなり重みが来た。
「いってぇー…。お前バカだろ」
いろんな意味で。
「な、なによ!初対面なのにバカって言われたくない!」
こいつ俺のこと知らないのか?
こんなに強気な女初めてだ。
俺は小さい声で
「おもしれー奴」
といった。
「えッ?」
聞こえちまったか?
「いや、なんでもねぇー。お前名前は?」
「藤田美亜です。あなたは?」
「俺のこと知らねーのかよ」
初めて見た。俺のこと知らないやつ。
ナルシかよって小さい声が聞こえた。
こいつ心で考えてるのが出るな。
「ナルシじゃねーし。雅龍の総長やってるから有名だと思うけど。」
「雅龍の総長なんですか。で、名前は?」雅龍って言うのは、知ってんだ。
しかもわかってもこいつ、ビビんねェ。
「岡崎蓮」
キーンコーンカーンコーン。
「じゃあな。美亜」
寒そうにしてた美亜に、俺の着てたブレーザー肩にかけて屋上から出た。