その日は、学校を
早退した

由樹菜の勧めだった


あたしも
気分が悪いのと
秋に会いたくないのとで
すぐに頷いた。


「花が秋のこと、まだ
好きなら…由樹は協力するからね?」

「ありがと…由樹菜あ」


その日の由樹菜は
いつも以上にかっこよく見えた


あたしも、
由樹菜みたいになりたい
そう思った


校門を出るとき
春が立っていて
あたしを待ってた


「花………」


無視して
通り過ぎようとした


「おい、花!聞けや!」


春はあたしの
腕を掴んだ。


「…………なに」

「秋と別れるんか」

「別れるも何も…
付き合ってもなかったみたいだし…」

「付き合ってたやん!」


そう思ってたのは
あたしだけだった。


「うるさいな…
もとはと言えば春が…」

「………ごめん」

「…………いいよ
春のおかげで秋のココロ
わかったし」

「あれはちゃうねん!!」

「励ましとか…
余計虚しくなるからやめて」