私は暇な大学生で、恋に憧れていたのに少しもうまくいかなかった。
「夏樹はさぁ、理想高すぎるんだよ」
親友の千冬は笑った。昼下りのファーストフード。半分は千冬に責任があると私は思う。だってコンパで出会う男は皆千冬を好きになるから。長い髪に華奢な体、小さな顔、これで性格もそう悪くない。
「千冬は夏休みどうすんの?どうせ彼氏と過ごすんでしょ」
私は羨ましさを前面に出して言った。
「それが彼氏里帰りしちゃうんだって!夏樹、遊んでね!コンパも行くよ!」
千冬は頬を膨らませた。
「本当?じゃあさ、来週行く?」
私たちはキャアキャア話ながら外に出た。生暖かい空気がぶーんと吹いた。
ふとアーケードを歩いてると隣を歩いてた千冬がいない。後ろを振り返ると千冬は少し離れたところで知らない男の子と立ち話をしていた。
その時、
「見いつけた」
と傍で声がした。
その瞬間、私の手が誰かの手に繋がれた。
見ると、知らない男の子がいた。