よく目元がしっかりとしているだとか、沖縄の人みたいに男らしい感じねと友人に云われるのは、僕が秀一爺さんの遺伝子を色濃く受け継いでいるからだった。
一時期は「そういうのって、隔世遺伝っていうのよね」と母に何度も云われたこともあった。
「隔世」と聞くと僕はつい「覚醒」の方を思い浮かべてしまうのは、まだ自分の中に秘められた大きな力が眠っているのだと信じているからなのかもしれない。いや、そんなことは全く子供らしい発想だけども、心のどこか隅の方で願っている自分に気づかなくもなかった。
その秘められた力は、不思議と秀一爺さんから与えられた遺伝子の群なのだろうかと考えられた。
まだ僕が発揮できている遺伝子は三十パーセントにも満たなくて、秘められた力が覚醒すると共に七十パーセントが手にはいると考えると、些か楽な気持ちになった。
まだまだ自分はやれると過信している自分自身に呆れたり、秀一爺さんの恩恵をまるっきり分け与えてもらっていることに対して申し訳なさも薄々感じていた。
