新菜。 お兄ちゃんは、俯いてあたしを呼んだ。 お兄ちゃん。 聞こえない声で、あたしはお兄ちゃんを呼ぶ。 二人でベンチに座るのは、いつ振りだろう。 懐かしい景色が、まるであの頃に戻ったみたいに感じさせる。