私は猫と旅をする

中に入って扉が閉まるとエドは小声で私に耳打ちをする。


「大朔はいつもあぁなんだ。なんかおかしいだろ。」


ニコッと微笑んだエドにまた私はキュンとした。


少し歩くと厚手のカーテンの向こうから声がする。


「いたたたたー!!もぉ、いい加減にしてよね!とっとと、出ておいき!!」


カーテンから看護婦のような女の人が転げながら出てきた。女の人は泣きながら部屋から飛び出して行った。


「あっちゃー…王妃の機嫌は最悪だな。」


「エドー??エドがいるのかい?ちょっと来ておくれ!」


エドは私に「少し待っててね」と言うとカーテンの向こうに行ってしまった。1人になってようやくゆっくり周りの見学ができた。