私は猫と旅をする

「大朔…大朔!あなたは何人もこの世界に連れて来てるの?」


「あぁ」


「目的は?」


「まぁいつかわかるさ」


「何それ…。今からは王妃様に会うの?」


「まぁな、気を引きしめろよ」


歩き続けると擦れ違う兵士達はみんな大朔に話し掛ける。大朔はこの町では知らない人はいないみたいだった。それどころか、かなりの人気者だった。


「愛美、ついたぞ」


目の前には他の扉とは明らかに違う、重厚で立派な扉だった。


「王妃様のお部屋なの?」


「あぁ」