私は猫と旅をする

―♪♪♪〜♪♪♪〜


陽気な音楽にたくさんの歓声、そこは小さな町の劇場のような場所だった。観客は日本人じゃないように見える。グレーの目をした男の人が私の元へ駆け寄ってくる。


その人は赤い兵隊のような服に黒のふかふかの帽子をかぶっていた。


「大朔!新しいお客さんか?」


「あぁ」


「お嬢さん、楽しんでいって下さいね!私はダイラーと申します。何かあれば、是非私まで。」


ダイラーさんはウインクをして胸に手を当ててお辞儀をすると、そのまま人込みに消えて行った。


「大朔…ここで私は観光をすればいいの?」


「自分で考えな」


大朔はあくびをしながら歩き出した。