私は猫と旅をする

そう言って大朔は草村に入ってしまった。


―お前はだからダメなんだ。


―あんたはだからダメなのよ。


大朔が言った言葉は、お母さんにさっき言われた言葉だった。何だか無性に腹が立ってきて、私は鼻息をあらげて草村に突進した。


「ダメじゃないもん…ダメじゃない……」


ブツブツと呟きながら大朔を追い掛ける。

大朔の真ん丸なお尻を見付けて私は立ち止まった。そして、大きく息を吸って…


「私はダメじゃなーーいっ!!!」


大朔のお尻目掛けて叫んでやった。大朔はチラッと後ろを振り向くと、無表情でまた前を向いて歩き出した。


…なんだよ。


でも、少しスッキリしたぁ。




「おい、出るぞ」


大朔の声で私は少し小走りになった。草村を出たら…何があるんだろう!少し胸が高鳴った。