『清!!ホントにごめん。明後日なら大丈夫だからさ!!』

「ゥん…平気だよ?」

『ホントに大丈夫か?』

「大丈夫だって…ね?」


この受話器越しに悲しい声で強がっているのは


俺の彼女。魚咲清。


俺らは明日で1ヶ月になる。


なのに肝心の俺が用事が出来て、

その日は絶対に一緒に居れなくなっちまった。


それで清のご機嫌うかがい中。


「光喜…さぁ…う、浮気とかじゃ無いよね?」

『はい?!』


清からは絶対に出てこない

と思ってた言葉が聞こえて正直ショック。


「だって…1ヶ月記念日なのに用事って…浮気かもしんないじゃん。」

『清ちゃぁん!』

「だって…こんなに好きなのは清だけかもって…ふ、不安だよぉ!!…ふえぇん!」

『泣かないで…清。』

「だってぇ…!」


受話器越しに聞こえる清の声。


ずっと「だって」を繰り返しながら。


その声に、俺も苦しくなる。