私の頭の上は痛さとはかけ離れた感覚があった。
稜哉はただ私の頭に手を優しく置いただけだった。
「えっ?」
私は思わず口に出てしまった。
「何?叩かれるとでも思ったの?」
図星を突かれて下を向いた。
「ありがとな。」
そう言って稜哉は立ち去っていった。
“ありがとな。”今の稜哉の言葉が頭から離れない。
下を向いていたから稜哉に見られずに済んだけど……
あたし今めちゃめちゃ顔赤い!!
さっきの稜哉の“ありがとな。”って言葉になぜかドキッとしてしまった。
あまり稜哉に感謝されたことがなかったからかな?
今ものすごく変な感じがする。


