「あ、うん………明日のクリスマスのことなんだけど……」
下を向きながら姫菜が話し始めた。
「そういや全く話してなかったよな。」
すると恥ずかしそうな声で「うん。」とうなづかれた。
そんな顔がまたかわいい。
「姫菜はどこに行きたいんだよ。」
「え!?あたし?」
なぜか俺に聞き返してくる。
「だって稜哉が誘ってきたからあたし稜哉がどっかに行きたいんだとばかり思ってたんだもん。」
《いや……別にただクリスマスを姫菜と一緒に過ごしてみたいという俺の独占欲から姫菜を誘っただけなんだけど。》
俺はそんなことを正直に言えるはずもない。
「別に?ただ誘ってみたかっただけなんだけど。」
強がって言うしかなかった。