『んで?用事は何?』
冷めた感じの声がケータイ越に聞こえてきた。
「クリスマスの件………」
すると『あぁ』と稜哉がつぶやく。
「今回は俺の負け。クリスマスは稜哉に譲よ。」
『…………』
何も言わない稜哉。
顔を見上げると俺を見つめるだけの稜哉が目に入る。
そんな稜哉と俺も目を合わせると稜哉の部屋に姫菜ちゃんが入ってきたのが見えた。
『誰と電話してるの?』
俺といる時はなかなか聞けないはしゃぎ気味の姫菜ちゃんの声が聞こえた。
そんな声を聞いて俺の胸は痛み出した。
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