「…まさ……と………雅人く…………雅人君?」




姫菜ちゃんから呼ばれるのは本日3度目。




《ほんと今日俺どうしたんだろ?》




「ん?何?」




何もなかったかのような声が俺の口から出てきた。




「“何?”って………ほんとに大丈夫?」




姫菜ちゃんは信じられないといったような顔で俺を見る。




「大丈夫だって。ちょっと考えていただけ。」




すると姫菜ちゃんがある方向を指差した。




俺はその方向を見る。




ある方向とは姫菜ちゃんの家だった。