「ねえ……稜哉どうしちゃったの?」 「………」 全く返事をしない。 「やっぱりおかしいよ……」 「…………」 また返事をしてくれない。 「ねぇ。離して?一応あたし雅人君がいるんだけ……」 「あいつの名前出すな!!」 さっきまで私を抱きしめてた稜哉の腕が緩んだ。 そして私の目を見てくる。 「幸せなら幸せそうな顔しろよ。」 切ない顔で私を見つめる。 こんな顔をされたら何も言えなくなってしまう。 だって稜哉のこの顔を見るのは初めてだったから逆にどう反応すればいいのかがわからない。