「………ひめ…………な……………」 稜哉は何度も寝言で私の名前を呼んでいる。 《ったく………何回もあたしの名前を呼ぶなんてどんな夢みてるんだろ?》 「…………姫菜………」 また私の名前を呼んできた。 「なーに?」 冗談で返事をしてみた。 すると稜哉は口を動かしながら「何でだよ」と言った。 《へっ?》 “何でだよ”って…… あたし稜哉になんかしたっけ?