雅人君と帰る時間はゆっくりとしていた。




いつも大したことは話していない。




だけどなんか落ち着く。




「なんか雅人君といると落ち着くな……」




「それほめ言葉だよね?」




「そうだよ。ってか稜哉といる時と大違い。」




「稜哉と?」




疑問を感じたのか私に問いかけてきた。




「うん。だって稜哉といるとなんていうか………うるさくなっちゃう。」




「うるさく?」




また雅人君が問いかけてくる。




「まああたしもおしゃべりだし?稜哉はああいう性格じゃん?だからお互いに言い合いしてたらいつの間にか騒がしくなっちゃって……家にいる時なんかはたいていママに怒られちゃうしね。」




私は微笑しながら話した。




だって稜哉のこと考えると笑えてきちゃうんだもん。




「へぇ…」




そう言ったきり雅人君が何も話さなくなった。