私が着替え終わってリビングに行くともう稜哉は朝ご飯を食べ終えていた。
「姫菜遅い。ってかチャリの準備しとくから早く食っとけよ。」
そう言い残して稜哉はリビングを出て行った。
「もう。なんで稜哉ってあんなんなの?宗人さんはすっごく優しいのに。」
朝食を食べながら愚痴をこぼす。
「そお?あたしは稜哉君も宗人さんと似て優しい人だと思うけど?」
さっきまでキッチンに立っていたママが食卓の椅子に座った。
「はぁ?なんでそう思うわけ?今日のあたしと稜哉の会話をママはちゃんと聞いてたの?」
確かに稜哉はいいところもあるけど……
さっきまでの会話を聞いてたら普通そう思えなくない?
「んーそうねえ…じゃあ後で稜哉君に聞いてみたら?」
「なんて?」
私はママが何で稜哉の肩を持つのかがわからなかった。


