「ねぇ、今日転校生が来るんだって?」

悠菜が退屈そうに聞いてきた。

「らしいね、女子って噂はきいてるけど。可愛い子だったらいいのにな~」

「夾(キョウ)ったら浮気する気?信じられない!」

「ははは、そんな気なんてないよ。悠菜が一番だって!」

そういって夾は微笑をみせた。

「ほんとに~?」



「ほんとだよ」



俺は山城高校に通う鈴木夾。

そしてこちらは俺の彼女の保坂悠菜。かわいいだろ。

今日は噂の転校生って奴が来るらしい。

悠菜の彼氏だからといい、転校生が来るのをワクワクしていたこともない。

ほら、よくあるじゃないか。

いきなり転校してきたのは美少女っていうおきまりの設定がさ!

そう思いつつ、俺はチャイムの音と共に席に着いた。

転校生の噂でざわざわとした教室が静まり返った時、ゆっくりとドアが開いた。



まさか、


まさかドンピシャだったなんて、思ってもいなかった。





それだけじゃない、


あいつは…───