声の出ない悲鳴が出て
マキちゃんも後ろを向く
「…誰?」
マキちゃんが声をかけると
頭の上で、男の人の、声がした
「…君達、凸組の子?」
マキちゃんが
目をいっぱいに開いて
首を横に振る
「うわ ゴメン
待ち合わせ場所、
知り合い迷ったみたいで
お〜!こっちじゃないみたいですよ〜」
私も、その普通そうな声に
ゆっくり振り向いて後ろをむく
声をあげた先には
男の人達が三人いて
…
一人は完全に
青山さんを意識した服装の
背の高い人だった
「……あの人達、
なんでここら辺だってわかったの?」
「マキちゃん…」
「…ちょっとシノに電話してみる」
マキちゃんが歩きながら
シノと話し始め
最初は難しい顔をしていたけど
びっくりした様な
感心した様な顔になり
また真面目な顔になって
携帯をそのまま、耳に充ててる
「……シノ、なんだって?」
「…さっきの画像、あったでしょ」
「…うん」
「あれを掲示板の人達が
拡大したりして
あの場で不自然な、あの人をみつけて…
半帽が、少し変わってて
千葉、
――ここの近所にある
工場でしか作ってない事が
判ったんだって」
「……うはあああ……」
そか……
ひとつの掲示板でも
いっぱいの、色んな場所に住んでる人が
同時に見てるんだ……
「…誰に売ったとか
わかるのかな」
「…そういうの解るには
工場に勤めてた人しか無理かも…
直接売るわけじゃないだろうし…」
「あああ
そうかあああーーー」
「だから、―――うん
皆はバイクショップとか
用品売り場、
向かってるみたいだけど…
深追いは危ないって意見が出て
皆、一通り回ったら
解散みたい…」
「……なぁんだ」
「…仕方ないよ
店員さんだって、知ってても
教えてくれるわけないし…
深追い本当に
危ないかもしれないもの」
「…………」


