Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



……何で
皆が真っ赤になるのさ

多分…私も真っ赤だけど…



―――そんな事は、
まるで気にもしない風に
『彼』は言葉を続ける


『…それとあの日
配送車を、
ずっと追って来る
スクーターがあったんだ

…千葉ナンバー』



マキちゃんが目を見開く
「…それ、警察に話した?」

『…話してないよ』

「何故?!」


『…ソイツがやった証拠はないし
ただ、走ってただけ

…でも
凄く空気が緊張してて

……アイツなら
すごく気が弱い奴だと思う

もし番号を追って、
そいつの家に警察が行き
少し質問して

……奴は出ずに、多分親が出る

それを奴は廊下で聞き耳を立ててる

……ベースを自分が盗んだ事が
事件になっていると自覚する

怖くなる

―― どこかに棄てる』

「そんなの!!!」


私は大声をあげた



『…盗った事で、
奴の目的は満たされてる

………雰囲気が
楽器やってる感じがしなかったし
多分、平気で潰す位、すると思う』


私は眩暈がして座り込んだ

マキちゃんも同じ様に座り込む


シノが話した

「…ナンバー見たんだよね
その人の顔は?」


『…ピンクの半帽被ってて
パーマが肩まで延びてる
何ヶ月か染め直してない茶髪

メガネ無し
目は小さくて、鼻も特徴ナシ
夏だけど焼けて無くて
筋肉もあまりなかった

体重は165cm位
体重は75kg前後の小肥り


……服は
半袖、綿生地の赤、チェック

ジーンズはブルー
ケミカルウォッシュ
アイロンの痕がついてた』


「…何処にでもいそうな人って言うか
…ケミカルウォッシュは頂けないけど」と
シノが私の背をさすってくれる


ユリちゃんが
パンと手を叩いて
「うちのお父さん
陸運局に顔利くから、コッソリ
教えて貰うって出来ないかな〜?!」と
マキちゃんに、腕を組む


『…やったよ』

「え…?」

私は座ったまま
『彼』の顔を見上げた