Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



学校から近い
小さな最寄り駅
横に伸びる短いスロープの手摺りに
皆、背を寄せて立った


まだ会社帰りには早いから
日常から帰宅した人影よりも
"どっか遊びに行ってきました"
みたいな姿が多い

この前、ベースの弦を買いに来た
商店街のアーケードに
ライトが灯り出す



――『彼』は
なんだか凄く、青山さんに
懐いてる

"慣れてる"とか
書いてある雑誌もあった

確かに、
昨日見た時も
凄く自然な空気で、二人居た
青山さんはチョップまでしてて
『彼』も青山さんの真似してたり…


………番号、
変わってるかもしれない
でも…

―――私はカーソルを合わせて
少し息を呑みながら


青く光る、番号を、押す










……なんか後ろで
着信音が流れてる


うるさいな
マナーにすればいいのに



……早く取りなよ
呼び出し音が聞こえな……



「――…ユカ!!!」



―― シノの絶叫で
後ろを振り向いた