相手のキモチも見えない"好き"
…その感情は
こんな私でも知ってる
あのコンテストの後の私は
『彼』のキモチを勝手に想像して
一人で『彼』を『彼女』に逢わそうと
騒いだんだもん…
あの時は、それが全てだった
「……んで拒否られたんだよなあぁぁ」
頭を抱えて、暴れる
皆、何を考えて、
思い出していたのかわかったみたいに
笑いながら私の頭を
クシャクシャにした
―― もし、私のあのベースが
盗まれてしまったら
…あんまり想像つかない
私のベースだからって盗る人が
いるって部分から
想像つかないから、無理。
……じゃあ
大事な人が
傷つけられてしまったら？
……怖くて想像出来ない
「…平気なのかな
青山さん」
ユリちゃんが呟く
そして、マキちゃんの携帯に着信
髪を少し、横に揺らして
それを受ける
「はい」
マキちゃんは『うん、うん』言ってたけど
皆を見て、口だけで"アニキ"
暫くして携帯を切った
「お兄さん、なんだって？」
「……御見通しだった
オマエら 騒いで動くなよ！って」
あああ と皆、声をあげる
「それと…
青山さんから、"CheaｰRuu"からも
同じ伝言受けてるって
青山なんかベース取られた事より
オマエらの心配してたぞって
"危ないから、捜したりしないで"…って」
