Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




――… どうしよう

だって
青山さんは
『コイツしかいないから』って
そういうベースなのに…

…電話、してみたら?って
誰も言わないし

……言えない




「………"青山竜治"って
もしかしたら、長身の?」


―― いきなり永川先生が、声をかけて来た


「え 先生、"CheaーRuu"知ってるの?」


「それはよく解らないけど
この人、以前に
コンサートか何かで刺されそうになって
庇った女の子が、
大怪我したのは知ってる」


――…… え


「教え子が出るって呼ばれて
控え場所まで入れて貰った
…夕方だったな

俺も咄嗟に、その犯人を抑えて
少し怪我したんだけどさ

何日後かに、抜糸するんで
病院行ったら
医者と、女の子の知人らしき人達が
"外傷ショックで前後の記憶が無い"
とか話してて
大変だったみたいだぞ」



………… 記憶


「――先生!!その女の子
どんなコだった?!」

「ユリ、痛いって
…ブワーッと人が寄って来て
よくわからん状態になったけど
真っ白いボウズ頭のコだったか」


―― 全員、 顔を見合わせた ――