――… どうしよう
だって
青山さんは
『コイツしかいないから』って
そういうベースなのに…
…電話、してみたら?って
誰も言わないし
……言えない
「………"青山竜治"って
もしかしたら、長身の?」
―― いきなり永川先生が、声をかけて来た
「え 先生、"CheaーRuu"知ってるの?」
「それはよく解らないけど
この人、以前に
コンサートか何かで刺されそうになって
庇った女の子が、
大怪我したのは知ってる」
――…… え
「教え子が出るって呼ばれて
控え場所まで入れて貰った
…夕方だったな
俺も咄嗟に、その犯人を抑えて
少し怪我したんだけどさ
何日後かに、抜糸するんで
病院行ったら
医者と、女の子の知人らしき人達が
"外傷ショックで前後の記憶が無い"
とか話してて
大変だったみたいだぞ」
………… 記憶
「――先生!!その女の子
どんなコだった?!」
「ユリ、痛いって
…ブワーッと人が寄って来て
よくわからん状態になったけど
真っ白いボウズ頭のコだったか」
―― 全員、 顔を見合わせた ――


