Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



「上手くはなってるね
…でも、今の所、お腹いっぱいかな
またよろしくね」


店長さんはスタッフさんに呼ばれて
元気に『お疲れ様ー!』と去って行った


……皆で
帰り道、色々意味を考える


"上手くなってるけどお腹いっぱい"
でもお腹は空くから
また来て下さいって事じゃないの?とか

今日ちょっとうちら調子悪かったし
次連絡来た時に、ガンバロ!って

―――でも
それからパッタリと
店長さんから連絡は無くて


友達に『もうやらないの?』って
聞かれたりしたけど


『……三年なったしねー』と
答えていた


…友達も
『あ〜 そうだね〜』と納得していたし
『またやる時はチケットちょうだいね!
日曜なら行けるから!』と
肩を、たたかれた


皆が『Azurite』や
"CheaーRuu"を話す時みたいに
『あの曲好き!』とか
『デモないの?』とか

……一回も聞かれて無い事に気が付いた


実際の所
集まりが悪くなったのは
そのライヴの後なんだ………





―――バタンと扉が開いて
我に返って、音の方を向く


「イヨーーっす!!
差し入れ持って来たよ〜ん!」


足は大股でブーツ

両手にギターと袋を抱え
いきなり扉を開けて入って来たのは

相変わらずピアスを両耳に沢山あけた
革のベストの、
蜥蜴が腕に住んでる、緑川さんだった