「…葉山!早く!」
校舎のイロイロなトコに
立入禁止のロープが貼られてて
監視の先生が
たまに通る
それをかい潜り、裸足の私達は
お弁当の入ったバックを持って
音楽室の上の屋上を目指した
屋上前の
小さな踊り場
「…ヒロ!遅っせーよ!…て
あれ?
――"ユカ"と"ユリちゃん"じゃん」
急に、男の人の声がして
跳び上がる
「…平気!俺のダチ!」
「あれ…? "山下くん"?」
「オッス」
「お?ヤマ 葉山達と知り合い?」
「同じクラスになった事無いけど
シノと一年の時、生徒会で
一緒だったから」
「あー なるほどね」
「ヒロ、早く中、入っちゃおうぜ」
「あ!そうだな ごめんごめん」


