眼鏡をキラリと光らせて
シノが私の方を見た
「人見知りもわかるけど
まだ決定ってワケじゃないし
会ってからでも遅くないよ」
マキちゃんが
「あ うん!!
…ちょっと突っ走っちゃったけど
ホント、雰囲気が、オーラがあったの!
会ってみてくれたら、わかると思う!」
「……わかった 」
「じゃあちょっと買って来る!
ユリは?!」
「う〜ん エビマフィンセットで〜
ミルクティー」
マキちゃんは頷くと
カウンターに走った
「顔見せだけって言うし〜
うちのお父さんが、良くいうけど
"物は考えよう"だし〜
…新しい風は、必要だよ〜
ユカちゃん」
「……新しい風かあ」
「そういえばね シノちゃん〜」
「ん? どうしたの?」
「灰谷君、こないだ
ユカに会いに、校門トコまで
来たんだよ〜」
「嘘っ!!あの人って
そういう事、しなさそうに見える!」
「今日〜
ユカちゃんが着てるライダースは
『彼』のだもんね〜」
「……あっ あのさ 」
「何なに?!」
二人が身を乗り出して
顔をニヤつかせてる……
「…ちょっと、サンデー買って来る!!」
私はガタガタ席を立って
その場から逃げた。
……編み物
教わろうかと思ったんだけど…
カウンターに行くと
マキちゃんがトレーを持ったまま
突っ立ってる
視線の先を見ると
天井近く、
無音の液晶のモニターに
"CheaーRuu"が映っていた


