そして
シノの携帯に、マキちゃんから着信
「マキちゃんとユリちゃん
これから来るって
何か、話あるらしいよ」
「…え…何だろう 」
「判らないけど、マキちゃん少し
興奮してる感じだった」
「青山さん絡み?」
「どうだろうね?
何か違う感じだったよ」
店の一番奥の、四人席に移動
――― 10分位して
マキちゃんとユリちゃんが現れて
開口一発
マキちゃんが私達に言った
「――― ヴォーカル入れようと思うの!」
「えええっ?!」
シノが
「いきなりどうしたの?!」と
聞くと
マキちゃんは、髪を後ろにかきあげて
説明を始めた
「一昨日、
専門学校の見学会行ったんだけど
そこで、
凄い子に会っちゃったのよ!!
―― その子は
ボーカリスト科希望の人
だったんだけど…
向こうから声かけて来てくれてね
私立の女子校なんだって」
「…歌、聞いたの?」
思わず、そう聞いた
「まだなんだけど、声楽やってるって」
シノが
「おお!本格的なんだ」
「うん こっちは一応
一番最近の曲のMDと
連絡先教えて
そしたらさっき連絡が来て
"やってもいい"って
それで一応、
顔見せだけでもって話で
向こうはいつでも良いって言うから
皆、一時間で良いんだ
今週末でも、時間とれない?!」
マキちゃんはホントに興奮気味で
でも私は
"やってもいい"っていう
上から目線の言葉が
どーーしても、気になった。
シノは
「今なら逆に、時間とれるよ
一時間くらい問題ナシ」と言い
ユリちゃんも
「おっけ〜い」と了解する
マキちゃんに
「ユカは?!」と
キラキラした目で見つめられたけど
思わず言葉に詰まってしまった


