ユリちゃんにその話をしたら
"さすがユカのお母さん"と
豪快に、笑われた
――― 駅の近くに
ファーストフードの店が出来て
『今日は少し時間がある』と
久しぶりに
シノとお茶する事にした
シノはコーヒーとチーズケーキ
私は、メロンソーダと
ポテトとテリヤキバーガーを頼む
「…シノは小さい時から
家の事、やってるもんね…」
「必要だったからだよ
やらなきゃいけなくなったら
やるようになると思う
で、そのお母さんの条件
やる事にしたの?」
「……やったよ
……………二日目で
寝坊して、遅刻して終わったけど…」
シノは笑いながら
深くため息。
…私もため息。
「…正直バイトも
高1の時の夏休みさあ
シノに誘われて、一回やったじゃん
…あれだって
私だけ、すぐやめたしね…」
「朝、起きられなくてね」
「…そうそう
だって、ずっと立ちっぱで
足も痛かったし…
店長だっけ、あの人、怖かったし
…でも大学入ったら
バイトはするよ…
ウチ、弟いるし…」
シノとマキちゃんは東京。
だから今までみたいに
べったり頼ったら、迷惑だ
ユリちゃんだって本当は
東京の、服飾系のトコ
行こうかと思ってたけど
お母さんが腰悪くしてから
地元に行く事に決めた
……この人見知り
治さないとな
面接の練習でも
顔上げなさいって言われたし…
何回か話せば、もう平気なんだけどなあ
「……何か、イロイロあったのに
夏前と進歩してないなあ…」
「そんな急激には変わらないってば」
……シノは、
ケーキとかの食べ方が綺麗だなあと
いつも思う


