Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




――― 私は
しばらく黙ってたけど

お母さんもこっちを向かないで
茹でたマカロニを
ホワイトソースに入れてた



「…別に、
皆、大学入ったら、
バンドの練習するのに
新宿のスタジオ入ろうって
話してるし…。」

「もし行くなら、敷金礼金
毎月家賃の半分くらいは
出してあげる

後は自分でバイトして、何とかしなさい


でもお母さんも、
メイドさんじゃないからね
東京で暮らすあんたの
おさんどん
毎週やりに行く気は、一切ないわよ

まあ、今のあんたが
一人暮しした、数カ月後の惨状は
目に浮かぶけど…」


「………行ってもいいの?!」


お母さんは
ちょっと浮足立った私に
釘を刺すみたいに、お母さんぽくない
怖い声を出した


「好き勝手させるために
こんな話、してるんじゃないよ

もし行くなら
これから毎日、ご飯や洗濯
後片付け、

気が向いた時だけじゃないよ
毎日やれたら、許可する

一人暮しって、そういう事だからね」


「…………」




私はテーブルに
思わず突っ伏した。