Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜










「……葉山…!!」


コソッとした大声

校門の柱と
植え込みの間の影に、しゃがんだまま
武藤が顔を出した


「灰谷さん
授業が始まるまでには
戻って来るって言ってたからさ」


武藤はまだ、
興奮した顔してる


「…灰谷に…会っちゃったよ…俺


…でも
―――良かったな! …葉山 」



私は腕までスッポリ隠れてしまう袖で
何回か目を擦りながら
赤い顔で、頷いた



そしてチャイムの音


「うわ 次 源爺の英語じゃん

葉山 走れ!!」


「…………うん!!!」