Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜





『…ユカ、編み物出来る?』


「……え…やった事、ナイ…」


『…お前に聞いた、俺が馬鹿だった』


「や…やれば出来るよ!…多分…」



『…じゃあセーター編んで』


「…セーター? 」

『… 白 』


「わ…わかった……」


『…時間なかったら
無理しなくていいから』


「… つ 作る!!!」


『…着られるの宜しく。』


「………!!

絶対作ってやるから!!」



笑う『彼』は
私の頬っぺたを引っ張り
メットを被って、エンジンをかけた

大きな音を立て
次にグルッと旋回し
『彼』が走って行きそうになる


「あ… これ!!!」


私は急いで
貸して貰った革ジャンを
脱ごうとしたけど


『…持ってて 』


それだけ言って

『彼』は今度こそ、走り去ってしまった